賢い脳の作り方!

 

 

はじめに

 

パンにマーガリンをぬっている。もし、あなたにそんな習慣があるのなら、この小冊子の内容はとても重要です。

 

パンにマーガリンをぬるという習慣だけではありません。スーパーのお惣菜やコンビニの揚げ物、ポテトチップスなど、こういったものを食べるのが〝ふつう〟という生活をしているのなら、次のようなことになりかねないからです。

 

このお話の主人公は40代半ばの主婦ですが、彼女はどうひいき目に見ても50代後半。とてもやつれ疲れ切った顔をしていました。それも当然で、彼女はずっと、十数年以上もうつ病を患っていたからです。

 

そんな彼女ですから、家事はほとんどできません。そのため、食事はすべて手がかからないもの、スーパーのお惣菜やカップラーメン、パン、コンビニ弁当などなど出来合いのものだけ。手作りのおかずなど数えるほどしか食べたことがなかったそうです。

 

私が言うまでもありませんが、彼女はあきらかな栄養失調。そこで私は、彼女にサプリメントをすすめました。

 

その結果、彼女のうつ症状はどんどん回復して、なんとか家事ができるようになったのですが…、そこで彼女は次のようなことを口にしたのです。

 

「私の娘は知的障害者で…」

 

この話にピンときた私は、「お嬢さんはいつ、知的障害と診断されたのですか?」と伺いました。すると、彼女は私が思っていた通りの返答をされたのです。

 

「中学に入ってからです。私だけでなく先生の言うことも聞きませんし、じっとしていられませんから授業中に教室からでていってしまいますし、怒りだすと手が付けられません。」

 

「では、昔はどうだったのですか?」

 

「小学校の低学年くらいまでは、勉強はできなかったものの、家でも学校でもさほど問題はありませんでした。」

 

知的障害には遺伝的(先天的)なものと、事故や病気などの影響による後天的なものがあります。

 

そしてこのお嬢さんは事故や病気などの問題はありませんが、小学校低学年まで問題がなかったという話ですから、あきらかに後天性の知的障害。

 

そして、その原因は「栄養失調」でした。

 

詳しく聞くと、もともと鬱っぽかったお母さんでしたが、出産後、その症状は悪化していました。「産後うつ」とされる症状でしょう。そして、先ほどご紹介した食生活です。そこで、次のようなことがお嬢さんにおきたと想像できます。

 

幼少期を保育園ですごし、小学校低学年まで、お嬢さんは給食からの栄養でかろうじて脳の働きを維持できていた。それが高学年になり、成長期で体が急激に大きくなるにつれ、給食からとれる栄養ではまかないきれなくなった。

 

そのため、脳の働きが悪くなり、それが問題のある言動として表出し知的障害と診断されるに至った。

 

「お嬢さんの知的障害は、お母さんと原因が一緒。栄養失調の結果だと思います」

 

一通り説明したところで、目から涙があふれだしたお母さんは…

 

「あれほど怒りっぽかった娘ですが、一緒に栄養をとるようにしていたら、前ほど怒らなくなっています。このところ、挨拶や家事の手伝いなど、今までならあり得なかったことをしてくれたのはそう言ったことだったんですね…。」

 

その後、彼女もまた、どんどん元気になっていることは説明するまでもありません。私は、こんなことは枚挙にいとまないと思っています。

 

うつ病や知的障害(後天性の)、発達障害などに限らず、次のような類の問題は「脳の性能」、「脳の栄養状態」を改善することで多くの方が解決できると考えています。

 

精神疾患とされている問題はもちろん、「性格」や「人格」が原因とされている問題も、多くは脳の性能を高めること、脳の栄養状態を改善することで解決が可能。

 

少なくとも問題を改善できると私は考えています。また、事実、問題解決ができた方、改善された方は少なからずいらっしゃいます。

 

この小冊子は、脳の働きについて栄養から考えて解説をしています。

 

お読みいただくことで、脳の働きを悪くする原因がわかります。また、逆に、脳の働きを良くする方法もご理解いただけることでしょう。

 

ぜひ、最後までお読みいただきお役立ていただければ幸いです。

 

【子供の問題】

 

・  勉強をしない

・  やれと言ってもやらない

・  宿題にやたらと時間がかかる

・  理解力や記憶力が悪い

・  落ち着きがない

・  すぐにキレたり、泣き叫んだりする

・  落ち込みがひどい

・  友達とうまく関われない

・  家庭内暴力

・  ゲームやスマホ依存

 

※  脳の性能が上がれば、短時間の努力で今まで以上の結果がでます。学力の向上(成績アップ)も不思議なことではありません。

 

大人の問題】

 

・  夫婦ゲンカが絶えない

・  モラハラ - 言葉や態度による暴力(怒鳴る、無視、嫌み、バカにするなど)

・  DV(夫婦間の暴力)

・  子供を叱りすぎてしまう

・  親や子供への虐待

・  仕事が長続きしない

・  人間関係に悩んでいる

・  アルコール依存症

・  買い物依存症

・  ギャンブル依存

・  借金癖

・  万引き癖

・  認知症

 

 

第一章 マーガリンを食べてはいけない理由

 

「ゴキブリも、ネズミも、そして虫も食べる(口にする)ことはない。また、虫が卵を産みつけることもない。さらに、カビることも腐ることもない。」

 

なのに、私たち人間が食べているものがあります。

 

ゴキブリなど、エサがなければコンクリートを食べて生きのびるほどの生命力。そんなゴキブリも食べないのに・・・、私たち人間が食べているもの。

 

実は、それがマーガリンです。

そこで質問ですが、これが食べ物だと思いますか?

 

少なくとも、この話を聞いて「子供にマーガリンは…」そう躊躇されるはずです。その一方で、「今まで食べてきて平気だったから…」という思いもあるのではないでしょうか。

 

そこで、私が承知している事実についてご紹介したいと思います。

 

  • プラスチック食品と呼ばれています!

 

2005年8月。ニューヨーク市は市内にある3万4千軒の飲食店やスーパーにマーガリン類を調理用油として使用しないことを要請しました。

 

そんなマーガリンを、専門家たちは「プラスチック食品」と呼ぶそうです。その理由は製造過程にあり、原油からプラスチックを作る過程と、植物油からマーガリンをつくる過程はほとんど同じだから。

 

その一方で、構造式を見ると、マーガリンとプラスチックは違います。あくまでも、製造過程が類似しているだけにすぎません。

 

しかし、重要なことは製造過程ではありません。このマーガリンの成分が体で使われているという事実です。

 

マーガリンの成分は水素添加された植物油脂。これは脂肪酸のことで、マーガリンに含まれるこの脂肪酸をトランス型脂肪酸といいます。これが細胞を傷つけ、ガンの原因になるという研究結果がたくさん報告されています。

 

そのため先進国では、トランス形脂肪酸(マーガリン、ショートニング)を使用禁止にする動きが出ています。

 

しかし日本だけは野放しのままです。(海外ではほとんど規制されています)

 

  • トランス型脂肪酸のなにが問題になるのか?

 

なんと60兆個。私たちの体はこれだけの細胞が協調して働き、生命活動が維持されています。そしてその細胞は細胞膜に囲まれていますが、この細胞膜に脂肪酸がたくさん含まれています。

 

そして、マーガリンの成分、トランス型脂肪酸はここに使われることになり、次のような弊害をもたらすことになります。

 

細胞膜とは、言い換えれば関所のようなもの。本来の自然な脂肪酸がトランス型脂肪酸に置き換わることにより、栄養をとり入れたり、逆に細胞内のゴミを捨てたりという働きがうまくいかなくなることが容易に想像できます。膜が、本来の役割を果たすことができません。

 

また、細胞膜は局所ホルモンの原料となりますが、トランス型脂肪酸はホルモンになることができません。そのため、これがさまざまな病気の原因となります。

 

さらに、このトランス型脂肪酸を排泄するための代謝に、大量のビタミンとミネラルを消耗することになります。とったことで体の機能が狂い、さらにそれを捨てるのに栄養が消耗してしまう。

 

これを有害物質といわず何と呼べばいいのでしょうか。

 

  • トランス型脂肪酸が原因と疑われる病気

 

実は、トランス型脂肪酸はパンやお菓子、マヨネーズ、加工食品の多くに含まれています。ふつうの食生活をしていたなら、マチガイなくとってしまうことになります。だからこそ、私はマーガリンを使わない生活をお勧めしています。

 

外食や加工食品、パンやお菓子類を食べない生活など、ほとんどの人にはできません。ならば、他の食品に比べ、トランス型脂肪酸の含有率が高いマーガリン。これを避けることは私からすれば自然な流れ。

 

なぜなら、トランス型脂肪酸は次のような病気の原因になるからです。

 

悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすことで動脈硬化や心臓疾患の原因になります。

 

また、老化やガンの原因になる活性酸素を増やすことになり、そのためさまざまな病気を引きおこします。細胞膜に使われることで、免疫異常をおこしやすいこともわかっています。

 

膠原病やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの一因となることも指摘されています。

 

さらに、妊婦さんや授乳中のお母さんは注意が必要です。トランス脂肪酸は母乳中に分泌されます。それを赤ちゃんが体内にとり込むことになりますから、これが赤ちゃんの細胞膜でつかわれることになります。結果、アトピー体質になりやすくなるといわれています。

 

  • 脳の働き、認知症の原因にもなりえます!

 

アルツハイマーや認知症など、脳の働きとトランス型脂肪酸の関係はまだ解明はされていないようです。しかし、私からすれば因果関系がないほうが不思議です。

 

すでにご紹介したように、トランス型脂肪酸は動脈硬化の原因になります。そして動脈硬化が脳でおきたなら、脳の血流は悪くなります。

 

それが徐々に進むわけですから脳の働きが悪くなることは自然なこと。それが認知症やアルツハイマーに限らず、イライラや落ち込みなどの情緒面や集中力、理解力、記憶力などに影響したとしても、私は疑問をもちません。

 

また、先ほどご紹介したように、細胞膜は関所のような働きをするところ。その関所がうまく働かなくなり、栄養をうまくとり込めなかったとしたなら…、たとえばビタミンB1をとり込めなくなったとしたら、細胞がエネルギーをつくれなくなります。

 

ビタミンB1ブドウ糖からエネルギーを産みだし利用する。これは脳も同じです。細胞膜の異常により、これらの原料がとり込めなければエネルギーは産みだせません。

 

ガソリンがなければ車が動かないように、エネルギーを産みだせなくなったなら、脳の働きが悪くなるのは自然なこと。ならば、理解力や集中力、記憶力など、学習面に影響を与えることに何の不思議があるでしょうか。

 

  • 錆びた油は脳を狂わせる。と、言ったら…

 

揚げ物を食べたら胸焼けがした。そんな経験は誰にでもあると思います。私など、天ぷらそばを食べたら必ずお腹を壊します。その原因もトランス型脂肪酸にあります。

 

というのも、私たちが何の気なしに使っているあの調理に使う油ですが、この油を加熱するとトランス型脂肪酸が増えます。それも、加熱すればするほど増えます。さらに、加熱された油はとても酸化しやすくなります。

 

このことから、私は揚げたもの、とくに時間が経過したものを錆びた油と呼んでいますが、この事実から次のことがわかります。

 

・油を使いまわすことは危険である

・揚げ物を次の日に食べないほうがよい

 

油が酸化すると過酸化脂質ができます。これを食べると活性酸素が大量に発生し、体中が傷つきます。細胞や血管などありとあらゆるところが傷つき、さまざまな病気の原因になります。

 

また、それは肌も同じですから、シワやたるみ、肌のくすみなど、見た目も老化も進む原因となります。そして、この活性酸素が細胞の関所、細胞膜を傷つけることになります。

 

前述したように、この細胞膜は栄養をとり込んだり使い終わったゴミを捨てる関所。そこが傷つけば細胞は正常に働くことなどできません。それが脳細胞でおきたとしたなら…。

 

スーパーのお惣菜やポテトチップを食べていたなら、それが脳の性能を悪くすることに私は疑いをもちません。言動に問題がでるのは自然なことなのです。

 

 

第二章 頭が良くなるにはどうすればいい?

 

脳の性能が上がれば、必ず頭が良くなります。

 

そう聞くと、ほとんどの方は単に「成績アップ」をイメージすると思います。それはもちろんなのですが、頭が良くなる、賢い頭は成績だけの問題ではありません。人格面や性格の問題と思われるようなことも改善・解決していきます。

 

イライラしたり落ち込んだりと、余計なストレスを抱え込まなくなり、すぐに気持ちを切り替えることができるようになります。また、自分の課題がわかりますから、前を向いてその課題にとり組めるようになります。

 

「こころ」は脳の働きから生まれる。

 

この事実から考えれば、脳の性能を上げると「こころが豊」になることが想像できます。また、それは生き抜くチカラを得ることにもなります。

 

では、脳の性能はどうしたら上がるのでしょうか?

 

  • 「勉強をしなさい!」と、言う前に!

 

勉強をすれば賢くなる。

 

これは事実ですが、私ならその前に脳の性能を上げることを優先する立場です。

 

「えっ、どういうこと?」

 

ほとんどの方は、そう疑問に思われたことと思いますが、勉強することは脳の性能を上げることではありません。それは、脳を使いこなすこと。これは、車の運転を考えるとよくわかります。

 

車の運転が上手な人は、私たち素人には到底マネのできない運転をします。車のタイヤをすべらせてカーブを曲がる運転技術。これをドリフト走行といいますが、こんな運転ができる彼らは、車を乗りこなしていると言っていいでしょう。

 

ですが彼らも、そんな運転技術をはじめからもっていたわけではありません。車に乗って練習に練習を重ねるだけでなく、カーブを曲がるときにかかる横方向のG(遠心力)に耐えられるよう、筋トレなど基礎体力の強化もかかせません。

 

同じように、私たちもまずは字を覚えます。

 

この基礎能力なくしてその後の勉強などできません。それを習得してはじめて、算数や社会、化学など、他の勉強(ドライビングテクニック)を学ぶことができます。

 

そこで、脳の性能をそのまま、車の性能だと考えて話を続けましょう。

 

  • ポルシェと軽トラック

 

ポルシェと聞けば、「時速100キロなんて楽勝だろうな~」と、誰もがイメージできます。

 

一方で、軽トラックと聞いたらどうでしょう。私は軽トラックに乗ったことがありませんのであくまでも想像ですが、時速100キロで走るのは厳しいのではないでしょうか。

 

では、そんなポルシェと軽トラックが競争したらどちらがはやいでしょうか。考えるまでもなく、ポルシェのほうが圧倒的にはやく走ります。

 

私が言いたいことがお解りいただけるよう、少し条件付けをしましょう。

 

たとえば、F1ドライバーが軽トラックに乗り、私たち素人がポルシェに乗ったとして、直線道路を競争したとしましょう。さて、この条件でどちらが勝つのか?

 

その結果は…、考えるまでもありませよね。私たち素人が乗るポルシェの圧勝です。

 

どんなにがんばって運転技術(学習)したとしても、車の性能(脳の性能)に大きな違いがあったのなら、その差は埋めようもありません。

 

そんな史実が飛行機でありましたのでご紹介しましょう。

 

  • なんと、わずか15分で…

 

1982年6月9日、レバノンの首都ベイルート、ベッカー高原上空でイスラエル空軍とシリア空軍の「航空決戦」がありました。

 

イスラエル空軍はシリアの防空網を破壊するため「ケラ19作戦」を決行。この作戦でシリア空軍は戦闘機80機を失った一方で、イスラエル空軍の損害はゼロ。また、シリアはベッカー高原上にあった地対空ミサイル基地をすべて失いました。この間、わずか15分。

 

この圧倒的な戦果の原因を、パイロットの運転技術の差と考える人などいないでしょう。私が指摘するまでもなく、イスラエル空軍のF15(アメリカ製)戦闘機とシリア空軍のミグ23(ソ連製)の性能には、それほど大きな差があったと考えるのが自然です。

 

「性能の差」は、それほど埋めがたいものなのです。

 

  • あくまで〝優先〟です!

 

曲がりくねった山道を競争する。

 

こんなとき、いくら私たちがポルシェに乗っていたとしても、軽トラックに乗ったF1ドライバーには勝てないでしょう。

 

ですから、私はあくまでも「脳の性能」を〝優先〟するという立場です。脳の性能を高めた上で勉強することをお勧めしています。脳の性能が上がれば、理解力や記憶力が高まるでしょう。

 

軽トラック、ポルシェ、F1マシンと、車の性能が高まれば誰もがはやく車を走らせることができます。同じように、学習もまた、たとえ同じ努力でも、脳の性能が上がればより大きな成果を得ることができます。

 

脳の性能が上がれば、同じ努力で今まで以上の成績を得ることができる。これは誰もが容易に想像できるのではないでしょうか。

 

しかし、残念なことに、ほとんどの方は「脳の性能」についてご存知ありません。むしろ、意識すらしたこともないのが本当のところでしょう。

 

いくら優秀なF1ドライバーでも、車が壊れていたら動かすことすらできません。脳も同じで、がんばってもがんばっても、その性能が悪ければ本来ならできることすらできなくなります。暴言や暴力、やる気など言動に問題があらわれることになるのです。

 

次章からのお話で、脳の働きにはレベルがあることがご理解いただけることでしょう。性能をより上げることもできれば、思いもよらないことでカンタンに下がってしまう。

 

ならば、私なら性能を上げよう心がけますが、あなたはどうされますか?

 

 

第三章 脳のシステムと働き

 

「もっとやる気をだしなさい!」

 

子供に勉強をさせようと、そう叱咤激励するご両親がいる一方で、

 

「本人がやる気をださないんだからしたかないよね…」

 

そう、子供を傍観しているご両親がいらっしゃいます。

 

正反対とも思えること対応も、その原点は同じ。「やる気はこころの問題」とカン違いされているからでしょう。

 

そう、やる気はこころの問題というのはカン違い。確かにやる気はこころの表現ですが、そのこころは脳の働きから生まれます。

 

そして、脳の性能が上がれば、多少の温度差はありますが、そのときに「やるべきこと」「やらなくていいこと」「あきらめなければいけないこと」が理解できます。

 

「ゲームをやめて宿題をしなさい」と注意するとキレてしまう子供でも、脳の性能が上がると、しぶしぶゲームをやめて宿題をこなすようになります。

 

もっと性能が上がれば不機嫌な態度もなくなるでしょう。さらに調子が上がれば、勉強をしたのちゲームをするようになるかもしれません。もっと良くなるとゲームすらやめてしまうことすらあります。

 

「ホント・・・?」

 

そう思われる方がほとんどでしょうから、まずは脳のシステムから説明しましょう。

 

  • 人の脳と動物の脳

 

頭蓋骨をパカッとあけると、そこに見えるのがみなさんよくご存じの右脳左脳です。

 

そして、この右脳左脳をとり除くと、そこにあるの大脳辺縁系で、ここは喜怒哀楽を司ることから別名、動物の脳「情動脳」と呼ばれています。

 

それに対し、右脳左脳は知的・理性的な働きをすることから人の脳「知性脳」と呼びます。つまり、情動脳の上に知性脳がのっかっている。脳の性能は、このふたつの脳の働きでおおよそ説明ができます。

 

その説明の前に、次のことを頭に入れておいてください。

 

  • 知性脳情動脳はお互いが干渉し合い、こころが生まれている
  • 知性脳情動脳は、その成長スピードが驚くほど違う
  • 知性脳情動脳には力関係があり、情動脳が優位である

 

このことを頭に入れたうえで、まずは問題のある言動について考えていきます。

 

  • 酔っぱらいに、話し合いができないのは?

 

クドクドと同じことを何度も話し続けたり、さっきまで機嫌よく飲んでいたのにある瞬間、なにかスイッチが入ったかのように怒りだす。

 

酔っぱらった人って、本当に困ります。話し合いはできませんし、こちらの言葉を額面通りにとってはくれません。その人のことを思っての言葉も、火に油をそそぐことになるケースも少なくありません。そんな酔っぱらいですが・・・

 

実は、お酒でマヒするのは知性脳。ここの働きが奪われるからこそ、知的・理性的な働きが失われます。また、そのため話し合いができなくなります。

 

逆に、彼らの問題のある言動は、知性脳がマヒしたことによる「情動脳の反応」の表出であることが想像できます。

 

情動とは喜怒哀楽という原始的な感情。知性的・理性的な働きがマヒすることで、酔っぱらった人は情動のコントロールを失います。そのため、彼ら酔っぱらいは支離滅裂なことを口にしたり、ときには暴力、車の運転までしてしまうのです。

 

  • 競走馬は気性が荒い!

 

さつき賞とダービーを勝ち二冠馬となったディープインパクト。私は三冠がかかった菊花賞のレースをテレビで見ていました。

 

すると、いつもと違ってスタートは良かったのですが、1週目のコーナーでディープインパクトが首をふり口を開けあきらかにかかって(興奮して)いたのがわかりました。

 

このとき、「あ~、これじゃダメかもしれない」と思ったのですが、武豊騎手がうまくなだめ21年ぶり無敗の三冠馬になりました。

 

実は、知性脳と情動脳は、この騎手と競走馬のような関係です。

 

暴れたり、行きたがったりする競走馬(情動脳)に知性脳という騎手が乗っている。騎手が乗りこなすことができれば問題がありませんが、暴れた馬を乗りこなすことができなければ、その言動にさまざまな問題があらわれます。

 

騎手がお酒を飲み酔っぱらってしまったなら、馬を乗りこなすことができないのは当然ですね。

 

  • 馬は臆病

 

睡眠は3~4時間。しかも、立ったまま寝るほうが多い。それほど馬は神経質で臆病な動物で、熟睡したり、寝転がって寝てしまうと、強い動物に襲われてしまう、その習性の名残と言われております。

 

また、いちど興奮すると尻っぱねをしたりして手が付けられなくなり、いくら名騎手といっても振り落されることすらあります。

 

情動脳も同じです。ここは五感からの情報を常にかぎとっています。そしてその情報は扁桃体に送られ、ここで「快」「不快」という大雑把な評価がなされます。また、その情報はその後、知性脳に届けられることになります。

 

「バタン!」と、突然大きな音がしたとき、私たちはビクッと反応してしまいます。仕事や勉強、家事、テレビなど、このビクッという反応により私たちの行動は制限されます。

 

そしてその後、その音の方向を確認して「なんだ風でドアが閉まったのか…」と安心し、気持ちを切り替えることができます。

 

このことから次のことがわかります。

 

・五感からの情報を扁桃体が「不快」と評価すると、何がおきているのかわからないまま体がビクッと反応する

・情動脳が情動脳が強く反応したとき、知性脳の働きが奪われてしまう

 

  • わからない(不快な)ことに意味がつくときは・・・

 

歩いていて、突然ヘビを見たりするとドキッとします。このとき、私たちはヘビを見たとわかってはいません。その証拠に、「ヘビだと思ったらヒモだった!」という経験は誰にでもあります。

 

ビクッとしたとき、このとき扁桃体が「不快」という評価をし、それで体が反応した。これらの情報が知性脳に届けられ、「なぜ不快?」という確認作業が行われる。

 

その結果、ヘビが確認できれば「不快」という情報に「怖い」という意味がつけられ、ヒモだったらその不快情報は消えて安心という意味に置き換わることになります。重要なのは、この体の反応です。

 

注射は痛い。風が冷たい。高いところや先生、お化けなどが怖い。など、これらはすべて「不快」という情動に知性脳が意味をつけたもの。そしてこのとき、私たちの体はすべて「体が緊張(力が入る)」しています。

 

  • なぜ、知性脳の働きが奪われてしまうのか?

 

冬、電気ストーブを使いながら電気プレートでお好み焼きを焼いていてブレーカーが落ちる。そんな経験は誰にでもあると思います。そして、同じようなことが脳でもおこります。

 

知性脳と情動脳は、同じ脳であるのにも関わらず電気配線(神経の構造)が違います。たとえるなら、知性脳の電気配線が電気コードで、情動脳のそれは裸の銅線。

 

なんと、情動脳では漏電がおきる構造なのです。そしてそのため、強い刺激で情動脳が強く反応すると、そこで漏電がおこりますから必要以上に大量のエネルギーが使われることになります。

 

そのため、その反応時間によりますが、知性脳が使えるエネルギーが不足してしまう・・・。

 

その典型例が、人前にでるのが苦手な人たち。彼らは人前が苦手ですから、情動脳の扁桃体が、その情報を「不快」と評価します。そしてその情報が知性脳に届けられ、なおさらイヤな気持ちになります。

 

また、こういった状況は知性脳だからこそですが、あらかじめシミレーション(想像)してしまいます。つまり、人前にでるまえから情動脳が反応し、人前にでたとき、その反応がピークに達します。

 

長時間にわたる情動脳の反応(漏電しながら)により、通常ではありえないほどのエネルギーを大量消費してしまい、知性脳のエネルギーが不足してしまう。

 

その程度がひどければ「頭が真っ白」になりますし、程度が軽ければ「話がしどろもどろ」という具合になります。そしてこのときも、私たちの体は緊張していることは言うまでもありません。

 

  • 酔っぱらっていないのに…、酔っぱらいにそっくりな言動

 

先ほどまとめて紹介したさまざまな問題ですが、そのいずれも反応(言動)が酔っぱらいにそっくり。これは、少しイメージしていただければ納得できることと思います。

 

酔っぱらいは知性脳がマヒし、情動脳の反応が言動となって表出している。一方で、それ以外の人たちは情動脳が過度に働いているため、エネルギーを大量消費している。

 

そのため、知性脳が使えるエネルギーが不足し、働きが悪くなる。原因は違いますが、結果的に知性脳が働けなくなっていることで、あたかも酔っぱらいのような言動が表出することになります。

 

そして、私はこの考えをもとに、すでに多くの方々の問題解決の手助けをしてきました。そこで、念のためにそのメカニズムを確認しておきましょう。

 

  • メニューを決めることができない人たち

 

「なにをつくったらいいのか?まったく頭に浮かびません。ハンバーグをつくると決めても、その材料に何を買ったらいいのか思いつきません。そんなですから、スーパーに行くと手当り次第の買い物になります。でも、食材がいっぱいつまった冷蔵庫をあけても、なにをつくったらいいのかわからず、ほとんどが傷んで捨てることになってしまいます。」

 

信じられないかもしれませんが、そんな悩みをもった人たちが少なからずいらっしゃいます。また、その程度が軽いのが、レストランなどでメニューを見ても、なかなか注文がきまらない人たちです。そしてその仕組みは上図を見ながらご紹介しましょう。

 

知性脳で生まれた考えは、必ず情動脳に送られ、扁桃体の評価を受けます。調子の悪い言動に問題のある人たちは、ここがなぜか?いつも「不快」という評価が強くなされています。

 

そのため、たとえばエビフライという情報が届くと、その情報に「不快」という付箋がはられて知性脳にフィードバックされます。エビフライを食べたいと思ったのに、そこに不快という付箋がはられた。

 

すると、やっぱり他のものにしようかな~と、このような流れがグルグルと続くことになります。それが、メニュー決めすらできなくなる原因です。

 

  • なぜ、問題のある言動がおきるのか?

 

「エビフライが食べたい。そう思ったのに、なぜ、扁桃体が不快と評価したの?」

 

そんな疑問をもたれた方もいらっしゃるかもしれません。

 

人前が苦手、ならばそれを扁桃体が不快と評価するのは当然です。しかし、「食べ得たいわけですから、それは本来「快」と評価されるのが自然。でも、現実に「不快」という付箋がはられて知性脳にもどったからこそ、決断ができません。

 

実は、これが問題のある言動、そのすべての原因だと私は考えています。

 

要は、エビフライ以外の五感からの情報で、すでに、そして強く、扁桃体が不快という評価をだし続けている。そのため、本来関係のないエビフライにまで不快という付箋がはられてしまい、それが知性脳にもどってしまった。

 

なぜか?常に扁桃体が不快という評価を強く続けているからこそ・・・

 

  • 勉強をしようとすると、その情報が情動脳で不快という付箋がはられて知性脳にもどります。そのため、やる気がなくなります。
  • 「勉強しなさい」と言われると、その情報に不快という付箋がはられるため、よけいにやる気がしなくなります。

 

  • いざ宿題にとりかかると、考えるたびにそこに不快という付箋がはられるため処理が遅くなります。
  • 考えても、そこに不快という付箋がはられるため、理解や記憶がうまくできなくなります。
  • 常に不快という情報が知性脳に届いているのに、なぜ不快なのかわからないため落ち着きがなくなります。

 

  • 不快という情報が常に知性脳に届いているため、些細な情報、たとえばお母さんの声掛けなども不快と判断し反応します。これは、不安を感じるより、イライラ反応するほうが楽だからです。情緒が混乱している状態です。
  • 不快という情報が知性脳に届き続けるため、なにが不安なのかわからないため明るくなれないと落ち込みがひどくなります。

 

  • 不快という情報のため、友達とのかかわりにもひどく気を使うことになります。そのため、楽しく遊んでいたようでも、遊んだあとやたらと疲れを訴えます。
  • 不快(不安)という情報が知性脳に届き続け、それに耐えられないためにイライラで反応しています。
  • 不快という情報が知性脳に届き続けると、知的な行動がとれなくなります。そのため、ゲームやスマホなど、情動に流される行為に終始します。

 

※不快情動のエネルギーは、それを外にだす人は攻撃的になり、内にため込む人は落ち込みとして表現されます。

 

  • 脳の成長スピードは…

 

乳幼児の集団予防接種では、だれかひとりが泣きはじめると、注射もうっていない他の子供たちも泣きだしたりします。これは、泣き声が聴覚から情動脳に届き、それを扁桃体が不快と評価したための反応です。

 

一方で、小さな子供は平気で道路に飛びだしたりします。まだ、知性脳が十分に成長していない子供たちは、こういった状況判断ができません。

 

こういったことからもわかりますが、情動脳は危険を回避する原始的な反応を司るため、おおよそ3歳で成熟するとされています。

 

一方の知性脳ですが、これはさまざまな経験を積みながら、おおよそ20代半ばまで成長を続けます。そして、この知性脳の成長は注射でよくわかります。

 

小学校の低学年ですと、まだまだ注射で泣きだす子供も少なくありません。しかし、高学年にもなれば、そんな子供はほとんどいません。

 

情動という競走馬が臆病であったとしても、知性脳という騎手が「注射は健康のため」と理解するからこそ、それを乗りこなすことができるのでしょう。

 

ただし、20代半ばまで成長が続く知性脳ですから、大人と比較すればまだまだ幼いものです。大人の知性脳が100の力をもつとしたなら、中学生でやっと50といったところでしょうか。

 

競走馬がおびえたとき、子供がイライラしたり落ち込んだりするのは仕方がないことなのです。

 

 

第三章 情動脳という競走馬がおびえているのは?

 

とても神経質な競走馬。私たちの動物の脳とも呼ばれる情動脳もまた、五感からの情報を常にかぎとりそれを扁桃体が評価していますから、いつおびえたり興奮したりするかわかりません。

 

そして、その扁桃体が不快という評価を持続して知性脳に送り続けたなら、どんな人でも言動に問題が表出します。

 

これは、大きな音や目の前を突然横切った車などの影、しげみから聞こえるガサガサという音など、こういった情報に思わず警戒することからも決して否定することはできません。

 

繰り返しますが、いったん情動脳が強く反応したのなら、知性脳の働きは奪われてしまうのです。

 

では、なぜ、扁桃体が不快という評価をし続けているのでしょうか。ここをご理解いただければ、問題解決への具体的な行動がお解りいただけます。臆病な競走馬(情動脳)が落ち着きますから、騎手(知性脳)はその能力をいかんなく発揮できることでしょう。

 

  • 良いお酒と飲みすぎてしまう人

 

悪酔いしない人。こんな人は、お酒を飲んでいるうち「そろそろ酔ったな~」と、自分の酔いを自覚します。「これ以上飲むと次の日残るな~」とか「もういらないな~」と、知性脳がマヒする前に、自分の状況を観察して飲むのをやめます。

 

一方で、酔っぱらいは飲みすぎます。これはもともと、飲む前にすでに知性脳の働きが悪くなっているのが原因です。そのため、アルコールで知性脳がマヒしはじめても「酔ってきた」とか「これ以上」と、状況判断ができません。

 

また、すでにご紹介した通り、知性脳の働きが悪くなる原因は情動脳が過剰に働いたとき。つまり、お酒でマヒしているときにも、不快という情報は知性脳にとどき続けることになります。

 

眠っている人をつついたら目が覚めるように、お酒でマヒしつつある知性脳も、不快という刺激によりうまく酔えなくなります。

 

だからこそ、彼らは飲みすぎてしまうのでしょう。そして、お酒に呑まれてしまうことになる。

 

ではなぜ?彼らの扁桃体は「不快」という評価を続けている、次はそのあたりのことを考えてみましょう。

 

  • 本能から考えるアルコール依存

 

一合のお酒で肝臓は4時間働く。耳にしたことくらいあると思いますが、このことから次のことが想像できないでしょうか。

 

「お酒を飲みすぎたら栄養失調になる」

 

肝臓は、アルコールを解毒するために働きますが、このとき多種多量の栄養素を使うことになります。そして飲みすぎる人たちなど、毎日3合は飲むでしょうから、少なくとも半日、肝臓はお酒だけのために働き続けることになります。

 

このとき消費されてしまう栄養素の量を、私は通常の食事で補うことなどできないと考えています。また、私の経験では実際に補えていないようです。

 

このことから、飲みすぎてしまう人たちは例外なく栄養失調だ。これを前提に対処を考えなければいけないとわかります。

 

では、栄養失調のとき、脳はどんな反応をするか、食欲という本能から考えてみましょう。

 

食欲とは食べたいという欲求ですが、本質的には「必要な栄養をすべてとれ!」という脳の叫びです。そして、栄養不足とは動物にとり、もっとも避けなければいけない危機。

 

そのため、その情報が扁桃体に送られると「不快」という評価がなされることになります。そしてこの「不快」という扁桃体の評価は、栄養が満たされるまでずっとずっと続くことになります。

 

飢えた獣は獰猛になりますが、私たちもお腹がすけばイライラします。それが24時間365日続いたなら、言動に問題があらわれることに私は疑いをもちません。

 

  • 世間の常識は・・・

 

「一滴でも飲んだらいけない!」

 

専門家もふくめ、アルコール依存に対する常識は断酒につきます。しかし、私はそれより「栄養をとること」を優先する立場です。

 

そして、そんなアプローチをとり入れてくれた結果、家族が「良いお酒になりました」と口にするほど、お酒の量が減った方が少なくありません。

と同時に、彼らの言動もまた、明らかに改善されて行きます。

 

繰り返しになりますが、栄養不足による扁桃体の不快という評価は、それが解消されるまで24時間、365日知性脳にとどけられます。

 

すると、メニューを決めることができない人(28ページ)と同じように、視覚や聴覚など、五感からの情報すべてに不快という付箋がはられることになります。

 

「もう、そのくらいにしといたら…」そんな体を心配した家族の言葉も、不快と付箋がはられることになります。だからこそ、「いちいちうるせ~んだよ!」などという返答になるのです。

 

  • 表情とは?

 

笑顔、悲しい顔、怖い顔、悩んでいる顔など、人はそのときの感情で表情がかわります。そして一般に、言動に問題を抱える方は、あまり良い表情の人はいません。

 

ただし、そんな人でも気を遣うと、知性脳という騎手が馬を乗りこなすことができます。そしてそんな人を、家族は「外面がいい」といいます。

 

では、そんな人がなぜ、家に帰ると表情が悪いかというと、それは気を遣う必要がないから。騎手(知性脳)が働かないから、馬(情動脳)がおびえたり暴れたりしてしまうのです。

 

そしてその表情ですが…実は、表情とは扁桃体の評価の表出です。

 

すでにご紹介したように、五感からの情報をおおざっぱに「快」「不快」のどちらかに評価するのが扁桃体。その評価が「快」ならば、表情は明るい笑顔に。逆に「不快」なら、表情は必ず曇ることになります。

 

言動に問題のある方々は、ほぼ表情は曇っています。(外面は別です)ならば、扁桃体がなんらかの理由で、24時間365日「不快」という評価を知性脳に送り続けていることになります。

 

そして私は、こういった問題のほとんどは「脳の栄養失調」が原因だと考えています。そして実際に、そういったアプローチで解決されている方が少なからずいらっしゃいます。

 

「いまどき栄養不足なんて…」

 

そう思われた方も、次のお話をご覧ください。

 

  • 肥溜めがあった時代と今

 

私が子供のころ、あちこちに肥溜めがありました。これが野菜の肥料だったのですが、今ではそれは化学肥料に代わってしまいました。

 

そしてこの差は、とても大きな違いとなってあらわれているようです。

 

下の図は科学技術庁「日本食品標準成分表」から抜粋した栄養素年度別減少比較です。下図は鉄分についてですが、もう惨憺たる状況です。

 

ビタミンCについて比較すると、ほうれん草は100gあたりのビタミンC含有量は150㎎。それが1982年には65㎎になり、2000年には35㎎。なんと、約5分の1です。

 

野菜 栄養素 1951年 1982年 2000年
ニンジン 鉄分 21㎎ 0.8㎎ 0.2㎎
ほうれん草 鉄分 13.0㎎ 3.7㎎ 2.0㎎
大根 鉄分 1㎎ 0.3㎎ 0.2㎎
りんご 鉄分 2.0㎎ 0.1㎎ 0㎎

 

原因はいろいろあり得ますが、化学肥料の利用もそのひとつでしょう。化学肥料の目的は、野菜がはやく、見映え良く、大きくなるように考えられたレシピのようなもの。

 

人間が選んだ栄養がふくまれているにすぎませんし、自然発酵して得られる栄養素の量とは比較になりません。ビタミンやミネラル、アミノ酸、核酸、酵素などなど、これはすべての栄養素に共通する事実です。

 

このことからも、私はほとんどすべてに人が栄養失調であり、それが扁桃体の不快という評価につながるのだと考えます。

 

  • 栄養の消費の問題

 

「え~、そんな食生活はまずいんじゃない?」

 

毎日コンビニ食やお弁当を食べている。そんな話を聞けば、誰もがそれはまずいと考えます。が、1日に1回とか、2~3日に1回ならと、あまりふかく考える人はほとんどいません。これはカップラーメンやファーストフードも同じです。

 

ですが、私たちの体は常に代謝を続けており、すべての栄養は常に必要とされています。食材の栄養価が5分の1が現実ですから、こんな食事がたとえ週に1回であろうと、その影響はとても大きなものになります。

 

また、こういったものに含まれる化学調味料や保存料、着色料などは、その処理の際に大量の栄養を消費してしまいます。

 

そしておそらく、こういった類の食べ物を食べたなら、そこに含まれた栄養よりもより多くの栄養が化学物質の消費のために使われてしまうことでしょう。

 

とったものの処理のために栄養が消費される。これはお酒の時にもご紹介しましたが、ジュースやアイス、お菓子など、ありとあらゆるものに共通する事実です。

 

私たちは、知らず知らずのうち、体の栄養も減らすようなことをしているのです。そしてそれが、多くの問題のある言動につながることになります。

 

その証拠に、あなたの周りにもひとりやふたりいらっしゃいませんか?こういったものをたくさんとるお知り合いが。

 

その方は、言動に問題がありませんか?

 

  • わからない。から、そのときに反応する!

 

飢えた獣はいらだっている。このとき、獣は戦闘モードにありますが、その情報の流れは次のようなものになります。

 

食欲という本能が満たされませんから、その情報を扁桃体が不快と評価します。その情報がアドレナリンやノルアドレナリン。

 

これらは不安や恐怖、イライラといった不快を感じる感情物資。これらが自律神経に届くことで瞬時に体が緊張し、戦闘態勢が整えられます。

 

私たちもそれは同じで、腹が減っているときに限らず、不快なとき無意識のうちに体が緊張します。でも、「ヘビだと思ったらヒモだった」ということがあるように、私たちはそのとき何がおきているのか認識できません。

 

  • 五感からの情報を扁桃体が「不快」と評価すると、何がおきているのかわからないまま体がビクッと反応する

 

私たちは冷たい風、痛い、怖いと直接的に感じていると思い込んでいますが、これらはすべて「風」や「注射」、「暗い」といった類の情報により、後付で意味をつけて認識しているのが本当のところ。

 

このことから、言動に問題のある人たちの説明ができます。

 

  • 栄養が満たされていないから・・・

 

動物なら「腹が減っているからイライラしている」とわかるのかもしれません。なぜなら、動物は決まったエサしか食べないからです。一方で、人間の場合はそうはいきません。

 

豊富に食べ物がある今、私たちは腹を満たすことはカンタンにできますが、栄養は足りてはいません。お酒やジュース、アイス、お菓子などを食べる習慣があるのなら、その行為で腹は満たすのに体内の栄養が消費されますからなお更です。栄養失調でイライラしている。

 

そう認識はできません。なんども繰り返しますが、腹を満たすことはできるからです。でも、脳で不安という情報が断続的に届けられています。

 

そこで、主に視覚や聴覚の情報、家族からの声や表情、態度などに不快という付箋がはられることになります。そしてそのため、どんなに思いやりのある優しい言葉をかけられたとしても、不機嫌な態度をかえすことになります。

 

 

第四章 脳の性能を上げるには ― 終わりに

 

問題のある言動は、栄養不足によってもたらされる。

 

逆に、しっかりと栄養を補うことでこういった問題が解決することは少なくありません。そして、栄養不足により問題のある言動がもたらされるなら、それは脳の性能が下がったことになります。

 

ならば、栄養を補うことでどんどん脳の性能は上がる。これはおおよそイメージできるのではないでしょうか。

 

「家の主人や子供は問題がないから・・・」

 

そんな気持ちの人もいらっしゃるとは思います。しかし、それでも栄養は不足してることに、私は疑いをもちません。脳の性能が上がれば、元気がでますし、やる気がでます。視野が広がりますから、いろんなことに興味をもつようになります。

 

また、理解力や記憶力が上がりますから、今までと同じ努力でより成績が上がることもマチガイないでしょう。そしてなにより、打たれ強くなります。

 

私が言うまでもなく、社会生活に正解はありません。そして今後、ITやAI(人工知能)の発達により、どんどん仕事が淘汰されていくことでしょう。(そんな仕事の筆頭が薬剤師と言われているのは皮肉ですが)

 

好きで一緒になった奥さんをイジメたい人などいるわけがありません。お酒におぼれたい人、ギャンブルや買い物におぼれたい人、ご両親を殴りたい子供などなど、私はいるわけがないと信じています。

 

ですから、なにか思い当たる悩みがあるのなら、まずは栄養をとって脳の性能を上げてください。なお、私を信じる必要はまったくありません。

 

「試してやるよ!」

 

そんな気持ちで結構です。栄養をとってみて・・・、そこで何がおきるのか?確認してください。

 

きっと、驚かれるはずです。

 

※マレにですが、私が栄養という言葉を使うことで、テレビCMなど広告の商品を利用して「効果がない」と、的外れなことを言われることがあります。私はそういったものをお勧めすることはございませんし、私が言う栄養とは「幅広く栄養を補う」という意味です。自己判断は自己責任でお願いします。